「負けた、悔しい、申し訳ない」で終わらせない ルヴァン杯後の川崎F・中村憲剛 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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「負けた、悔しい、申し訳ない」で終わらせない ルヴァン杯後の川崎F・中村憲剛

中村憲剛選手12月毎日更新 Q27 失敗した苦い経験や試合に負けた悔しい思いは、どうやって消化していますか?

負けて悔しくても、また試合はやってくる

 正直、ルヴァンカップ決勝を終えて、練習を再開したときのチームの雰囲気は重かった。でも、今思えば、それもまた当然だとも思えるんです。それは、それぞれが向き合っている最中だったということ。逆にわずか3日という時間で、180度切り替わっていたとしたら、それはそれで向き合っていないことになるんじゃないかと思います。

 よくサッカー選手は、気持ちの切り替えという言葉を使いますけど、それも年齢を重ねるごとに少しずつできるようになってきた気がします。

 負けて悔しい思いをしても、また試合はやってくる。面白いもので、ルヴァンカップ決勝が終わった後、3日間、モヤモヤと過ごしていても、ボールを蹴ったら、その瞬間に悩んでいたことや考えていたことを忘れられるんです。自然と、このパスをしっかりやろう、しっかり出そうと、頭が切り替わる。次の試合に勝利するまで、悔しさが完全に消えることはないですけど、毎日練習することで、徐々に薄れていくんですから、本当に時間というものは尊いなって感じます。

 思い起こせば、昨年のチャンピオンシップ準決勝も、今年の元日に戦った天皇杯決勝も、そして今回のルヴァンカップ決勝も、期待値が高ければ高いほど、敗れた喪失感は大きかった。でもその一方で、自分を信頼していたし、チームを信頼してもいたんです。自分たちが高まってきたからこそ、あの舞台に立てたし、経験することもできたわけですからね。そして、その悔しい思いを糧にしてきたからこそ、今シーズン、リーグ優勝できたと思っています。

明日の質問は…〈Q28 プロになってから忘れられない試合はありますか?〉です。

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中村 憲剛

なかむら けんご

プロサッカー選手。川崎フロンターレ所属(背番号14)。

1980年10月31日生まれ。東京都小平市出身。6歳のときに府ロクサッカークラブでサッカーを始め、小金井第二中学校、都立久留米高校、中央大学を経て、2003年に川崎フロンターレに加入。2016年、歴代最年長の36歳でJリーグアウォーズ最優秀選手賞を獲得。プロ15年目を迎えた2017年現在も、チームの中心選手として活躍中。


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